溶滴・溶融池・アークフレーム、全ての現象がリンクして見える。最新ハイスピードカメラが溶接研究を大きく加速させる。

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大阪大学 接合科学研究所 様

大阪大学 接合科学研究所様

ハイスピードカメラ FASTCAM Mini AX をご活用頂いている
大阪大学 接合科学研究所 所長 田中 学 教授(※所属・役職は取材当時の情報です)
にインタビューした「溶滴・溶融池・アークフレーム、全ての現象がリンクして見える。
最新ハイスピードカメラが溶接研究を大きく加速させる。」の記事をご紹介します。

目次

溶接研究とハイスピードカメラの歴史

約30年前、デジタルのハイスピードカメラの登場で溶接の研究が大きく進歩しました。フィルムのハイスピードカメラでは現像してからでないと現象が見えず苦労しましたが、デジタルハイスピードカメラのおかげでライブで現象が見られるようになりました。昔は感覚で設定していたシミュレーションも、ハイスピードカメラの進歩で見えないところまで見えるようになり、より深く理解して設定できるようになりました。

接合部の信頼性と安全性は、金属の構造物の視点で見ることが重要です。それは金属がナノメートル・マイクロメートルの小さい組織が積み重なってできているからです。破壊はミクロやナノの世界から起きますが、今までの評価はそこまで出来ませんでした。何回も金属を引っ張ったり、構造物を破壊したりして強度を評価していましたが、シミュレーションの進化で、破壊の原因がどこにあるのか分かり、破壊の原点とマクロに壊れるものとを繋げて評価することが出来るようになりました。

評価で構造物を壊すことは大事ですが、大きな構造物を作って壊すのは危ないですし、何回もできません。ハイスピードカメラの進歩で、大きい試験と小さい試験の相関を説明できるようになりました。そのおかげで本当に小さな実験で破壊試験のデータを蓄積しておき、最後に大型の試験をすれば製品にできる時代になりました。

大阪大学 接合科学研究所 所長 田中 学 教授
大阪大学 接合科学研究所 所長 田中 学 教授(※所属・役職は取材当時の情報です)

最新ハイスピードカメラ「FASTCAM Mini AX」の感想

撮影したデータを見せてもらって感動しました。熟練した人間の目で見える現象は結構すごくて、溶滴・アークフレーム・溶融池の動きが全部視野に入って見ることができますが、高速の現象は追えません。ダイナミックレンジという観点では情報が入っていますが、高時間分解能で追えていないので、見えていないものがいっぱいあります。

今までのハイスピードカメラは高時間分解能で見ることができても、ダイナミックレンジが狭くて見えるものが限られていて、情報としては不足していました。
それがFASTCAM Mini AXでは、ダイナミックレンジが広いので溶滴・溶融池・アークフレームが全部リンクして、しかも綺麗に高時間分解能で見ることができます。

MIG溶接の様子
MIG溶接の様子
FASTCAM Mini AXの画像
FASTCAM Mini AXの画像

アークの境界も映し出す「FASTCAM Mini AX」

MIGの溶滴から金属蒸気、アルゴンのプラズマのフレーム、溶融池があまりにも美しく見えました。また、メタルアークとアルゴンアークの境界もきれいに見えました。分析・解析していた数値シミュレーションが一つにつながった瞬間です。陰極点が見えるのもすごいことです。溶滴・溶融池・アークのフレーム・陰極点が同時に見えたのは世界初かもしれません。FASTCAM Mini AXは真実を浮き彫りにできるカメラですね。技術者は常に上を目指しているので、現象に対する仮説時にここまで可視化できるというのはとてもインパクトがあり、溶接研究を大きく加速させるでしょう。

元画像とPFV4の疑似カラー機能画像
元画像とPFV4の疑似カラー機能画像

溶接・接合研究の水平展開

溶接・接合の研究をベースにした知識を別の分野に水平展開していくのも今のトレンドです。例えば鋳物。今までキャスティングで作っていたものや、キャスティングではとてもできなかったものが、3Dプリンタで作れるようになりました。金属の線や金属のパウダーを積み重ねていき、3DCADと合わせながら全く作れなかったものが作れます。「接合プロセス」・「接合機構」・「接合評価」、この3つの知見が金属のセラミック3Dプリンタを誕生させました。我々の研究する溶接・接合の柱はこれからも様々な分野に展開されていきます。

田中先生のご紹介

大阪大学 接合科学研究所 所長 田中 学 教授

「接合プロセス」「接合機構」「接合評価」を3つの柱として、熱源の開発、熱源からエネルギーの輸送を最適化する研究をしています。溶接・接合はものづくりの基本となります。伝統ある研究ですが、常に最新の研究テーマがあります。より深く、より正確に溶接・接合を理解する為に物理的観点からアプローチしています。

※所属・役職は取材当時の情報です


※ この記事は2019年4月取材時の情報です

製品紹介

120×120×94mm、質量1.5kgという軽量コンパクト筐体でありながら、1024×1024ピクセルで6,400コマ/秒、640×480ピクセルで20,000コマ/秒、最高900,000コマ/秒(※AX200)という撮影速度を実現したハイスピードカメラです。モノクロISO40,000の超高感度性能を持っており、溶接の可視化に最適です。また、波形測定オプションで電圧、電流といった計測波形データを同期させて取得、表示させることも可能です。

製品ページ

溶接用レンズフィルタ
溶接の種類に適したフィルタを使うことで、反射光やプラズマ光の影響を抑えることができます。
フィルタの種類についてはお問合せください。

FASTCAM Mini AX で撮影した様々な溶接

CO2 溶接

TIG 溶接

MIG 溶接

MAG 溶接

TIG 溶接シュリーレン

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