LMSとは?機能一覧や活用方法!自社にも導入すべきかを解説
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LMSは企業研修や大学講義に使われる学習用システムです。「Learning Management System」の略で、その名の通りオンライン学習を管理・運用するために活用されます。
しかし「LMSでは具体的にどんなことができるのか」「どのように活用され、どんな問題を解決できるのか」がイメージできない方も多いでしょう。
そこでこの記事では、LMSの機能やメリット・具体的な活用方法を解説していきます。またLMSではできないこともお伝えするので、導入すべきかどうかの判断にぜひお役立てください。
LMSとはオンライン学習(eラーニング)を効率よく運用するためのシステム
LMSとは企業の従業員や学生などの学習を、効率よく運用・管理するためのシステムです。
LMSを導入することで管理者(講師側)は教材をLMSにアップロードしたり、学習コースを作成したりできます。LMSには既に用意された教材をもとに学習するタイプと、PowerPoint等を使って自分たちで教材を作成しアップロードするタイプがあります。自社専用のノウハウ共有などをしたい場合は、後者を選択しましょう。
一方で受講者は、パソコンやスマホなどから専用の学習サイトにアクセスして、オンライン学習を行います。また小テストで理解度を測ったり、LMSを通して疑問点を質問したりできます。
つまりLMSは「オンライン学習(eラーニング)を行うための自社専用サイト」とイメージしていただくと分かりやすいでしょう。
LMSとeラーニングの違い
eラーニングとは、パソコンやスマートフォンなどを使ってオンラインで学習を行うことを指します。例えば「インターネットに接続して、授業の動画を視聴する」「オンライン上で配信されているテキストを読む」などがeラーニングに当たります。
それに対しLMSは、eラーニングを運用・管理するためのシステムのことです。LMS上でeラーニングを行うことで、学習状況の確認や小テストの実施・学習課題の分析なども行えるようになります。
LMSとeラーニングの違いについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
>>LMSとeラーニングの違い!LMSは必要か?意味や使い方を解説
LMSの活用方法!どんな課題を解決できるのか?
LMSの導入を検討している方の中には「本当にLMSは必要なのか」「具体的にLMSでどのような課題を解決できるのか」と疑問に思っている方も多いでしょう。
LMSは企業の研修や、大学の授業などで利用されます。
企業であれば以下のような研修・学習に役立てられるでしょう。
- 新入社員研修
- コンプライアンス研修
- 店舗スタッフ研修
- 営業研修
- 新サービス・新ルールに関する研修
新入社員研修で毎年同じことを行っているのであれば、それをeラーニング化すれば毎回オフラインで研修を行うコストを削減できます。また複数店舗を持つ企業がLMSを使えば、全ての店舗でノウハウ・ルールなどを統一化することも可能です。一定品質のサービスを提供できるようになります。
コンプライアンスや法律改定などに注意しなければならない業界(金融・保険など)でもLMSが取り入れられることが多いでしょう。教材の作成や資料添付・お知らせ通知などを行えるLMSも多いので、スピーディに全体への研修が行えます。
LMSの機能一覧!具体的に何ができてどんなメリットがあるのか?
それではより具体的に、LMSの機能を見ていきましょう。
LMSでは大きく分けて以下のようなことを行えます。
- 受講者の学習をサポートできる
- 学習用の教材を簡単に管理できる
- 管理者と受講者でコミュニケーションが取れる
- 他システムと連携できる
順番に解説していきます。
LMSでできること1:受講者の学習をサポートできる
機能例 |
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・受講履歴の確認 ・小テストの実施 ・小テストへのフィードバック ・テスト結果の分析 ・受講者ごとの学習状況や成績の確認 ・教材の視聴ログの分析 ・学習スケジュールが遅れた際の通知(通知メールの自動送信) ・学習に関するアンケート ・アンケート結果のグラフ自動作成 ・受講者専用ノートの作成 |
eラーニングの際に、受講者に学習を丸投げしてしまうのは良くありません。LMSであれば以上のような機能が使えるので、次のような分析が行えます。
- 本当に理解できているのか
- 適切なペースで学習を進められているのか
- 理解が浅い点はどこか
- どのような教材を追加(修正)する必要があるのか
その結果、受講者が正しく学習・研修が行えるようにサポートできるのです。例えば小テストの設問ごとに正答率を確認できるLMSを利用すれば「正答率が低い教材の修正が必要だ」「補足テキストの追加をしよう」といった判断ができるでしょう。
LMSでできること2:学習用の教材を簡単に管理できる
機能例 |
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・学習教材や小テストなどの作成 ・既存資料から学習教材への変換(PowerPointからHTMLへの自動変換など) ・教材への参考資料の添付 |
LMSでは学習教材の管理が行えます。自社で作成したオリジナル教材をアップロードしたり、理解度を測るための小テストを作成したりすることも可能です。
なおLMSでは、テキストベースで教材を配信することが一般的です。動画教材を配信したい場合は、後述の「動画配信システム」との連携がおすすめです。
LMSでできること3:管理者と受講者でコミュニケーションが取れる
機能例 |
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・タイムライン ・お知らせ ・コメントや評価の書き込み ・受講者間の相互閲覧レポート |
多くのLMSには、受講者と講師でコミュニケーションを取れる機能が備わっています。例えば「分からなかった点を講師に質問する」「小テストの結果を講師がフィードバックする」などが可能です。
またタイムラインやお知らせ機能が備わっているLMSであれば、受講者への連絡を手軽に行えます。学習に関する注意喚起や、新教材に関するお知らせなどに活用できるでしょう。
LMSでできること4:他システムと連携できる
機能例 |
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・動画配信システムとの連携 ・Zoomとの連携 |
他のシステムや機器と連携して、より効率的に学習を進められるLMSもあります。
例えば前述の通り、LMSでは通常、テキストベースの教材を配信します。LMSでは大容量の動画をアップロードできない・ストリーミング再生ができない(毎回ダウンロードしなければいけない)といった課題があるからです。しかし動画配信システムと連携させれば、それらの課題が解決でき、動画学習を効率的に行えます。
最近では動画を使った研修を行う企業も増えているので、LMSを選ぶ際はぜひ、動画配信システムとの連携性が高い製品を検討してみてください。
LMSではできないことやデメリットを解説
逆にLMSではできないこと(向かないこと)を把握しておきましょう。LMSには以下のようなデメリットがあります。
- 質の高い動画学習はできないことが多い
- 質の高い実技(実演)学習はできないことが多い
LMSのデメリット1:質の高い動画学習はできないことが多い
最近は動画による学習が特に注目されています。以下のようなメリットがあるからです。
- テキストよりも細かい内容を伝えやすい
- より記憶に定着しやすい
- 動作を伴う作業・手順などを直感的に理解しやすい
- 受講する心理的ハードルが低い
- 場合によっては聞くだけで学べる
しかしLMSは動画での学習に向かないケースが多いでしょう。というのも一般的なLMSの多くはドキュメント(テキスト教材)の登録しかできません。また仮に動画ファイルを登録できたとしても、視聴時に都度ダウンロードをしなければならないことがほとんどです。
もし動画による学習・研修を行いたいのであれば、前述したようにLMSと動画配信システムを連携させることをおすすめします。
連携後は以下のことができるようになります。
- 動画ファイルをダウンロードせずに、ストリーミング配信できる
- 大容量の動画を何本も配信できる
- 動画内にコメントを残したり、自分専用のメモを記入したりできる
- 動画に字幕を付けたり、再生速度を変更したりできる
- 動画を視聴したログを詳細に蓄積し、LMS側で取得できる
参考イメージ
より効果の高い研修・学習を行いたいのであれば、ぜひLMSと動画配信システムを組み合わせてみてください。
より詳しいことは、こちらの記事で解説しています。
>>LMSで動画の配信・管理は行えるのか?動画対応のLMSや機能を紹介
LMSのデメリット2:質の高い実技(実演)学習はできないことが多い
LMSは基本的にテキストベースでの学習になるので、体を動かして覚える実技などの研修には不向きです。例えば機械の細かい操作・接客シミュレーションの研修は、動画でなければ難しいでしょう。
ただしこの点も、前述の動画配信システムとの連携である程度解決できます。講師が実演している様子を動画に撮りアップロードすれば、イメージを伝えやすいでしょう。
例えば介護士さんに向けて「車いすを使う際の注意点」などの動画研修を行うことも可能です。
LMSはこんな企業におすすめ!
以上の内容を踏まえて、LMSは次のような企業・大学におすすめです。
- これからeラーニングを取り入れたい
- 受講者の学習状況・研修状況を正確に把握したい
- 毎回オフラインで行っていた研修をオンライン化し、開催コストや人件費などを削減したい
- 研修を自動化してリソース不足を解消し、コア業務に専念したい
- 複数拠点で同一の研修を行い、サービス品質を均一にしたい
- 頻繁に起こる法律改定やルール変更などに、従業員がすぐに対応できるようにしたい
その中でも特に動画を活用した研修・学習を行いたい場合は、動画配信システムとの連携がおすすめです。
LMSの導入方法!運用開始までの流れを解説
LMSの具体的な導入に向けて、申込み後から運用開始までの流れを簡単に解説します。
- LMSを選定・契約する
- LMSの環境構築やカスタマイズを行う
- LMSの運用準備を決める(運用のルール決めなど)
- LMSの運用を開始する
※異なる手順で進めていくこともあります。
まずは自社の課題をもとに、最適なLMS選びからスタートします。しかしインターネットの情報やサービスページの情報だけでは、本当に自社に適しているかが分からないでしょう。良さそうなLMSをいくつかピックアップしたら、担当者に相談してみてください。中には無料トライアルを行っているLMSもあります。実際に使ってみると、より理解を深められるでしょう。
利用するLMSの契約をした後は、まずベンダー(LMSの提供会社)に自社専用の学習プラットフォームを構築してもらいましょう。必要に応じて自社に適したカスタマイズも行ってもらってください。これで「自社専用の学習サイト」が完成します。
学習サイトが完成したら、ベンダーと相談しながら運用方針を決めたり必要なデータの登録を行ったりして、実際に運用できる状態に近づけていきます。
準備が完了したらテスト運用を行い、OKであればいよいよ本番運用です。ユーザ情報や教材のアップロードなどを行いましょう。運用開始後はユーザーに使い方の説明を行い、実際に利用してもらいます。
主要なLMS一覧と選び方を解説!
LMSは多くの企業が提供しており、各社の違いが分かりにくいと感じる方も多いでしょう。ここでは簡単なLMSの選び方と、主要なLMSを一覧で紹介します。
まずLMSを選ぶ際には、以下のような点に注目しましょう。
- 企業向けなのか、大学向けなのか
- 既存の教材を主に利用するのか、独自教材を作成して登録するのに適しているのか
- 自社で利用したい機能は搭載されているか
- 料金プランや利用人数は自社に適しているか
ただしインターネットや各社HPの情報だけでは、正確にLMSの特徴を理解できないことも多いでしょう。気になるLMSがあったら資料請求するなどして、詳細を見てみることをおすすめします。
企業向けLMS | 用途 | 特徴 |
---|---|---|
LMS365 | 企業向け | ・Microsoftが提供するLMS ・他のMicrosoft製品との連携し、管理やコミュニケーションをスムーズに行える |
学びばこ | 企業向け | ・パソコンに不慣れな方でも使いやすい ・他社のシステムではできなかったカスタマイズにも、対応してもらえることが多い |
eden LMS | 企業向け | ・PowerPointのファイルをそのままスライドショーや動画に変換できる ・AIによってナレーションを付けたり、翻訳を行えたりする |
SAKU-SAKU Testing | 企業向け | ・テスト(アウトプット)を重視したLMS ・既存問題集を利用するだけではなく、自社オリジナルの問題を作り配信できる |
LearningWare | 企業向け | ・決済機能がついており、eラーニングビジネスにも利用できる ・SNSコミュニティ機能があり、受講者同士のディスカッションなども行える |
Multiverse® | 企業向け 大学向け | ・ネット上で集合研修や個別レッスンが行える ・要件ヒアリングや企画提案などのサポートが充実している |
KnowledgeDeliver | 企業向け 大学向け | ・⾳声や映像付きのスライド教材を作れる ・コース修了証や卒業証明証も発行できる |
WebClass | 大学向け | ・撮影した動画ファイルの登録に対応している ・動画配信システムとの連携機能がある |
manaba | 大学向け | ・ポートフォリオ機能によって、4年間の学修成果物が自動で蓄積される ・動画配信システムとの連携機能がある |
まとめ
LMSはeラーニング(オンライン学習)を運用・管理するためのシステムです。
教材の作成やアップロードだけではなく、受講者の視聴ログ分析や、小テストの実施・成績に対するフィードバックなども可能です。特に企業では毎回オフラインで行っていた「店舗スタッフ研修」や「営業研修」などをLMSで行うことによって、コストカットや品質の標準化を図れます。
ただしLMSは動画コンテンツの配信には向かないというデメリットもあります。動画による質の高い研修や、実技研修には適さないでしょう。その場合はぜひ動画配信システムと組み合わせて、動画による研修/学習を検討してみてください。
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