映像伝送プロトコル「SRT」とは?その特長と活用方法を解説
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近年注目を集めているテクノロジーのひとつである「SRT(Secure Relieable Transport)」プロトコル。映像伝送をおこなう際のIPストリームのプロトコル「SRT」を4つの特長から詳しく解説します。
この記事では、映像伝送プロトコル「SRT」とはどのようなものなのか、その特長と映像伝送における「SRT」の利用方法までをご紹介します。
映像伝送プロトコル「SRT」とは?
「SRT(Secure Relieable Transport)」 は、映像伝送をおこなう上でのIPストリームのプロトコルのひとつで、近年注目を集めているテクノロジーです。
従来の「RTMP」などに代表される映像ストリーミング系の技術は、「TCP」というプロトコルをベースとしており、パケットの伝送という面では非常に高い品質を保持することができる反面、30秒に近い、またはそれを超えるような遅延が発生してしまうため、利用用途が限定されている側面があります。
このデメリットに注目することで「RTP」「UDP」といったプロトコルを活用する場合もありますが、低遅延でリアルタイム性は確保できるものの、送信と受信環境によってはその品質を保持できないという弱点があります。
対して、プロトコルとして「SRT」を利用した場合の映像伝送はどうでしょうか。
「RTMP」「RTP/UDP」の良いところをまとめて規格化されたプロトコルが「SRT」であり、「UDP」をベースに低遅延を実現しながらも、信頼性の高い映像伝送を実現できることが一番の特長です。
この高い映像伝送品質は、放送用途や、メディア配信用途でも十分に活用ができるレベルであることから、昨今では、大規模なスポーツイベントやライブコンサートなどでも、この「SRT」プロトコルを活用して映像の回線伝送に活用される機会が増えています。
映像伝送プロトコル「SRT」の特長
「SRT」の概要は前述のとおりですが、映像伝送に「SRT」プロトコルを利用するうえでの4つの特長を詳しく見ていきましょう。
SRTの特長1:パブリックインターネットで利用できる
「SRT」には、「ARQ(Automatic Repeat reQust)」と呼ばれるパケットロスをリカバリするための機能が実装されています。
これは通常のインターネット回線(パブリックインターネット/一般的な公衆回線網)を利用した際に発生しやすいパケットロスやネットワークジッタに直面した際に効果を発揮します。パケットロスやネットワークジッタが原因で受信端末まで届かなかったパケットだけを再送信リクエスト、それを受信することで安定的なデータ出力を確保できます。
この「ARQ」機能により、専用回線を用意することなく、パケットロスが発生しやすいインターネット回線(パブリックインターネット/一般的な公衆回線網)を利用しても安定的な映像伝送を実現することができます。
パケットロスやネットワークのジッタが発生することを前提とした仕様で設計された「SRT」プロトコルを利用することで、汎用的なインターネット回線(パブリックインターネット/一般的な公衆回線網)による映像の伝送を実現することができます。
SRTの特長2:高いセキュリティ機能
「SRT」で送信されるIPストリームはそれ自体が、AES128/256bit といった高いレベルでの暗号化、データスクランブルの一種になっており、エンコーダとデコーダで共通したパスフレーズを入力、一致しないかぎり映像信号として復元できないという機能を実装しています。
映像コンテンツを保護する、といった観点からも十分に安心と信頼できるセキュリティ機能になっています。「SRT」のIPストリーム自体が暗号化されているため、そのストリームを利用するネットワークがどんなものでもそのセキュリティを確保でき、利用するネットワークに依存しないことも特長です。
SRTの特長3:オープンソース
「SRT」は、開発者のためのプラットフォームGitHubなどでソースが公開されており、SRTアライアンスに加入することで、「SRT」を利用した製品/サービスの開発に取り組むことができます。
2022年9月時点で500社を超えるメンバーがSRTアライアンスに加入しており、これは「SRT」を利用した映像伝送におけるワークフローが柔軟で、ユーザにとって多くの選択肢が持てることを意味します。
エンコーダやデコーダのベンダーだけでなく、CDNやクラウド事業者も多く名を連ねており、今後の相互接続性にも期待できる速度で成長と利用者数の増加が見込まれています。
「SRT」プロトコルを利用できるサービスや製品が拡大することで、それを利用する私たちが互換性や自由度に大きな恩恵を受けることができます。
SRTの特長4:将来を見据えた設計
「SRT」は、従来の「RTMP」プロトコルでは十分に対応することができなかった、UHD/4K といった高解像度映像のサポートや、次世代のビデオコーデックとして期待されている HEVC(H.265) などに対応できることで、将来に向けて加速する高画質を先取りした仕様で規格化されています。
「UDP」プロトコルをベースにしながらも、前述したとおりのパケットの送信、受信管理をすることで高画質を実現しています。
SRTはどのように利用できる?
では、「SRT」プロトコルを利用した映像伝送をおこなうにはどのような方法があるのか見ていきましょう。
広く市場に発信されている「SRT」対応エンコーダやデコーダ、または「SRT」対応とされているソフトウェアベースのアプリケーションなどを活用することで、「SRT」を利用した映像伝送をおこなうことができます。
ただし、これらのデバイスを用意することができても、パブリックインターネットを利用した映像伝送に不安があったり、その接続のための設定が難しそうで、本当に簡単に利用できるのか?といったお悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。
このような不安を解決するためのサービスやソリューションのひとつが、「SRT」を利用した映像伝送サービス「 Photron Live Cloud Service(LCS)」です。
「SRT」や映像伝送、様々なプロトコルに詳しくなくても、「 Photron Live Cloud Service(LCS)」を活用すれば、テクノロジーの恩恵を受けることが可能です。
SRTを利用した映像伝送サービス「Photron Live Cloud Service(LCS)」とは?
「SRT」を利用するうえで必要な情報およびアクセスポイントをサービスとして提供するのが、映像伝送サービス「Photron Live Cloud Service(LCS)」です。
「SRT」を利用するためには、データを送信する端末、または受信する端末の少なくともどちらか一方は、グローバルIPアドレスを割り当てる必要があります。それらをおこなうためのルーターを含めた管理や設定をストレスに感じる方も多いでしょう。
「Photron Live Cloud Service(LCS)」は、「SRT」を利用するために必要なアクセスポイント(グローバルIPアドレスの振り出しを含む) を提供し、エッジデバイスはインターネットに接続するだけで利用できるので、これらの管理や設定のストレスを大幅に軽減します。お手元にインターネット、それと同等のネットワーク環境があれば、すぐに「SRT」を利用しで映像伝送が可能です。
また、「Photron Live Cloud Service(LCS)」のサービスは、1週間、1ch(ストリーム)から利用することができるので、導入の初期費用や大きなランニングコストをかけることなく、すぐに簡単にコストを抑えて「SRT」を活用することができます。
映像伝送サービス「Photron Live Cloud Service(LCS)」の特長
- 「SRT」利用に必要な設定やサーバ機能をシステムが振り出してくれる
これを使用するだけで映像伝送できます。 - SRT対応機器はインターネットに接続するだけ
光ファイバーやVPN等で必要だったルータ等の煩雑な設定は不要です。 - 1週間、1ストリームからの利用が可能
そのコストパフォーマンスは圧倒的です。
無料トライアルも利用できるので、「SRT」を利用した映像伝送に興味のある方は、ぜひこの機会に活用してみてはいかがでしょうか。その品質と、驚くほど簡単に利用できることを実感していただけると思います。
映像伝送サービス「Photron Live Cloud Service(LCS)」を利用して、「SRT」という最新技術をもっと活用してみませんか?
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