計測事例|透明な高分子の引張試験
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「材料の詳細な特性を理解する」ためには、どのような測定が必要となるでしょうか?
偏光カメラと赤外線カメラによる新たな材料特性の評価技術
「材料の詳細な特性を理解する」ためには、どのような測定が必要となるでしょうか?
樹脂材料やガラス、あるいは高機能フィルムなどの「応力分布」や「温度ムラ」は、この質問に対する一つの答えであり、その材料や製品の生産工程を理解するために把握しておきたい重要な因子の一つです。
応力、温度、これらの不均一性は、すなわち材料の機械的特性の不均一性と密接な関係があります。例えば、フィルムの厚みにムラがある場合では、体積差による熱容量の違いから「フィルム表面には温度の偏り」が現れます。また、厚さが均一な場合でも、空間的に高分子の配向状態に違いがあるのならば「変形時の応力の偏りから配向状態の変化」を測定することができるでしょう。
従って、応力分布や温度ムラを測定することができれば、より詳細な材料特性を理解することが可能となります。また、今までにはない観点からCAEや数値解析結果の妥当性を検討することも可能です。
このような背景を受けて、東京大学では「偏光カメラと赤外線カメラで、材料の変形状態を同時に観測する」という試みがスタートされており、そこには我々の製品が使われています。
この動画は透明な樹脂材料の引張試験を偏光高速度カメラ(左)と高感度赤外線カメラ(右)で同時に撮影した、新しい材料特性の計測結果です。
左側の偏光観察結果は、透明な樹脂材料の内部応力をカラーで表しています。荷重の増加に伴って材料全体の応力が強く(赤く)なっていき、ある時刻でくびれ:ネッキングが発生すると、応力分布が不均一になっていく様子が確認できます。
右側の赤外観察結果は、透明な樹脂材料の表面温度を表しています。ネッキングが発生する瞬間に温度が急激に上昇し、表面のひずみが大きい領域が温度上昇によって浮かび上がり、その位置が徐々に上方へ移動していることが確認できます。
このように、従来では予想ができないような材料特性の解明に対して、多角的な測定方法によるアプローチを新たにご提案することが可能です。
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