ビデオコーデック「HEVC」とは?その特長と活用方法を知る
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ここ数年のスマートフォンカメラの劇的なスペック向上に伴い、身近なデバイスで高画質な映像を撮影することが手軽に実現できるようになりました。
このように、スマートフォン等で撮影した動画のビデオコーデックのひとつである「H.265」は、「HEVC(High Efficiency Video Coding)」とも呼ばれ、近年主流となりつつあります。
4K/8Kなどの高解像度の映像や、5Gを利用した高速通信、ストリーミング配信が今後本格化していくのに伴い、「H.265 / HEVC」も更なる普及が期待されています。
この記事では、ビデオコーデック「H.265 / HEVC」の特長を理解し、活用方法について解説します。
HEVC とは?
「HEVC」とは、動画圧縮コーデックのひとつである「H.265(正式名称:H.265 / MPEG-H HEVC)」の別名であり、High Efficiency Video Coding(高効率ビデオコーデック)の頭文字をとって省略したものです。
「HEVC」は、現在広く普及しているビデオコーデックである「H.264 / MPEG-4 AVC」の後継規格として、2013年にITU-T(国際電気通信連合)により国際標準規格として承認され、2017年にApple社が iOS 11 や macOS High Sierra で「HEVC」をサポートすることを発表して以降、徐々に普及してきました。
H.265 / MPEG-H HEVC と H.264 / MPEG-4 AVC の違いを知る
「H.265 / MPEG-H HEVC」は、「H.264 / MPEG-4 AVC」よりも圧縮効率が優れており、比較すると約2倍の圧縮効率があると言われています。「H.265 / MPEG-H HEVC」がこのような高い圧縮率を実現している理由は、映像を送る仕組みにあります。
H.264 / MPEG-4 AVC 映像を送る仕組み
「H.264 / MPEG-4 AVC」は、映像を送る際に、少しでも変化がある部分は全て細かいブロックにして送る仕組みになっています。
H.265 / MPEG-H HEVC 映像を送る仕組み
「H.265 / MPEG-H HEVC」は、変化のある部分を全てブロック化するのではなく、変化が少ない部分は大きなブロックでまとめて送るなど、映像の変化の程度に応じてブロックサイズの適正化を図ることで、より効率的なデータ送信を行う仕組みとなっています。
これにより、同じ映像を送る場合でも、「H.265 / MPEG-H HEVC」の方が全体的なデータ量を少なく送ることができるため、高い圧縮率を実現できるのです。
HEVCのメリットとデメリット
HEVCのメリット1
動画コーデックとして「HEVC」を利用する1つ目のメリットは、4Kや8Kなどの高解像度の映像であっても、従来の映像品質を保ったままファイルサイズを半分で実現できることです。
前述のとおり、「HEVC」は圧縮効率が優れているため、動画を高画質なまま圧縮することが可能です。ただし、圧縮率が「H.264 / MPEG-4 AVC」コーデックよりも高いため、現時点では「H.264 / MPEG-4 AVC」よりも圧縮に時間がかかります。しかしこの問題は、今後は徐々に改善されていくことが予想されています。
HEVCのメリット2
「HEVC」の2つ目のメリットは、「H.264 / MPEG-4 AVC」よりも「HEVC」の方が、より高画質な映像を実現できるという点です。
「H.264 / MPEG-4 AVC」は、4K/60fpsまでしかサポートしていませんが、「HEVC」では 8K/300fps までサポートしているため、よりなめらかな映像表現が可能です。
つまり、「HEVC」を活用することで、より高画質な映像を実現することができるのです。
HEVCのデメリット
「HEVC」を活用するうえで注意が必要となるのは、「HEVC」に対応するデバイスが限定されるという点です。徐々に対応するOSやデバイス・アプリケーションが増えてきているものの、利用するデバイスによっては非対応の場合もあるため、動画を再生したい場合などに事前の確認が必要です。
たとえば、Windows標準の動画再生アプリは「HEVC」非対応のため、VLCメディアプレイヤーなどの動画再生アプリを別途ダウンロードして利用する必要があります。また、動画を編集する場合でも、「HEVC」に対応した編集アプリが必要となりますし、圧縮率の違いにより、「H.264 / MPEG-4 AVC」に比べてより高性能なプロセッサを搭載したマシンが必要になります。
また、「HEVC」は、動画コーデックの一つに過ぎず、動画の拡張子はコンテナ(映像と音声をまとめたフォーマット)によって異なる点にも注意が必要です。コンテナによって利用可能な動画コーデックは異なりますが、「HEVC」の場合は主にMPEG-4(.mp4)やAVI(.avi)が利用されています。
HEVCを活用するには?
「HEVC」は、国内の4K/8K放送でも採用されていることからも分かるとおり、高画質の映像を高い圧縮率と高品質な復元率で鮮明に再生できる仕組みを持っています。また、様々な動画配信サービスでも「HEVC」の導入が進んでいます。
動画ストリーミングサービスの台頭が著しく、かつ4K/8Kのような高解像度の映像を手軽に楽しむことが求められる現代において、「HEVC」を利用して映像を制作したり伝送したりすることは、日に日に重要度を増していると言えます。
一方で、「HEVC」を利用した映像共有を実現するには、対応アプリやデバイスの精査が必要となります。8Kまでサポートできる「HEVC」を、元の映像や音声を劣化させることなく共有するには、それ相応の環境整備が必要です。
しかし、専用回線やVPN環境の整備などは、コストがかかるうえに高度なネットワークスキルも必要となり、「HEVC」を利用した映像共有の実現には、大きな手間がかかってしまいます。
そんな手間を削減し、手軽に「HEVC」の映像を遠隔地へ伝送できるサービスが存在します。それが、拠点間映像伝送ゲートウェイサービス「Photron Live Cloud Service(LCS)」です。
HEVCコーデックでも簡単伝送!「Photron Live Cloud Service(LCS)」とは?
拠点間映像伝送ゲートウェイサービス「Photron Live Cloud Service(LCS)」は、「HEVC」コーデックであっても、誰でも簡単に映像を伝送できるサービスです。
拠点間映像伝送ゲートウェイサービス「Photron Live Cloud Service(LCS)」の特長
- 映像伝送のためのサーバや機能をクラウドサービスとして提供
パブリックインターネットを利用して「HEVC」の映像を伝送するためのサーバや機能をクラウドサービスとして提供。必要な時に必要なだけ利用できます。 - 余分なソフトウェアのインストールは不要
ブラウザ上で映像伝送に関する管理/設定が可能なため、様々なソフトウェアをインストールする必要はありません。 - HEVCにも対応!組み合わせるエンコーダ/デコーダを選びません
導入しやすいソフトウェアベースのアプリケーションが生成するSRTストリーム、HEVCコーデックの信号にも対応。各種メーカーのハードウェアを利用することも可能です。 - 手軽な価格で利用できる
最短1週間で 15,000円(税抜) という圧倒的コストパフォーマンス。必要な時に必要な期間だけ利用できます。
無料トライアルを利用すれば、ご自身の環境でその品質を確認することも可能です。
「HEVC」コーデックを活用した高品質な映像制作/映像伝送に興味のある方は、ぜひこの機会に拠点間映像伝送ゲートウェイサービス「Photron Live Cloud Service(LCS)」をご活用ください。「こんなに簡単に使えるのか!」ときっと驚くはずです。
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