動画研修のメリット・デメリット!研修動画の参考例や導入方法も紹介
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社員研修や業務マニュアルなどに、動画を取り入れる企業が増えています。
以下のようなメリットがあるからです。
- 動画によって従業員の学習効率が上がる
- 従来オフラインで行っていた集合研修を動画にして社内に蓄積することで、コストの削減が行える
しかし動画研修とはどのようなものなのかをイメージできず、なかなか導入に踏み出せない企業も多いのではないでしょうか。またそもそも「動画の作成や配信が難しそうだ」「本当に自社でも動画を取り入れるべきか分からない」と悩む担当者の方も多いでしょう。
そこでこの記事では、動画研修の参考例を交えながら、メリット・デメリットなどを解説していきます。具体的な研修内容や、実施の手順が分かるようになっているので、ぜひ参考にしてください。
社員の動画研修とはどのようなものか?参考例を確認しよう
「動画研修」とはその名の通り、動画を学習素材とした社員研修のことです。
研修を動画で行う場合、会社側は集合研修や社内マニュアル・簡単なOJTなどの内容を、動画コンテンツとして配信します。そして受講者(従業員)は、研修用の動画コンテンツをオンラインで視聴し、学習を進めます。
動画研修についてのイメージを深めるため、次の具体例を見てみましょう。以下はYouTube上にアップロードされている研修動画の一例です。
※あくまでYouTube上で一般公開されているものなので、実際にはその企業特有の研修や、機密情報を動画にしたものなど、様々なものがあります。
基本的に研修動画は、社内限定などのクローズドな場面で視聴されるものです。そのため「見栄え」はそこまで考えなくてもよいケースが多いです。研修素材としての「分かりやすさ」に重きを置いて動画作成を行います。
そして動画を配信する媒体には、主に以下のようなものがあります。
- 動画配信システムやLMS(学習管理システム)など、本格的な動画研修を目的としたシステム
- Web会議システム(録画してそのまま配信する)
- Googleドライブなどのクラウドストレージ
- YouTubeなどの無料動画配信プラットフォーム
本格的な動画研修を行う場合は、動画配信システムやLMSを利用することが一般的です。
企業向け動画配信システム | 企業の課題解決のために、動画を配信・管理するシステムです。研修動画の作成・配信や、受講者の学習分析などが行えます。 |
LMS(学習管理システム) | 主にテキスト資料(パワーポイントなど)を使った研修を運用・管理するのに適したシステムです。動画教材の管理も可能ですが、動画配信システムに比べると詳細な設定や分析ができないことが多いです。 |
ちなみにYouTubeなどの無料動画配信サービスは、セキュリティ管理が難しいため社内研修に使用されることはほとんどありません。
詳細はこちらの記事も参考にしてみてください。
企業向けの動画配信方法!必要なシステムや動画作成の方法も解説
研修動画の内容やコンテンツ例
もう少しイメージを膨らませるために、研修用の動画コンテンツの例を紹介していきます。
- ビジネスマナーや機器の操作方法など、動きを伴う業務の動画マニュアルを作る
- システムやPC操作の方法を画面ごと録画して、動画マニュアルにする
- 営業のロールプレイングを録画して動画教材にする
- 集合研修を撮影し、そのまま教材にする
- 商品知識などをアニメーション付きスライドショーで動画教材にする
- 代表のメッセージを録画して動画にする
社員研修に動画を利用するメリット・効果
動画研修を導入するにはコストやリソースが必要ですが、それを上回るメリットが期待できます。
- 視覚的に学べるため、高い学習効果を期待できる
- コストの削減と、リソースの節約が行える
- 学習状況や視聴者の理解度の分析を行えることが多い
- 受講者が時間や場所を問わず研修を受けられる(テレワークにも最適)
それぞれのメリットを確認してみましょう。
メリット1:視覚的に学べるため、高い学習効果を期待できる
動画で伝えることができる情報量は、テキストのみの場合と比較して5,000倍も多いと言われています。つまり研修に動画を活用すると、テキストのみでは伝えきれない細かな部分を、より正確かつ効率的に伝えることができるのです。
特に次のような「動きを伴う情報」は、文章よりも動画での説明が適しています。
- お客様対応時の目線や声・仕草など
- 文字だけで説明すると内容が煩雑になりやすいシステム操作方法
また近年は動画が身近になっているため、テキストベースの研修より映像研修の方が好まれやすい傾向があり、そういった意味でも効率化が期待できます。
メリット2:コストの削減と、リソースの節約が行える
オフラインでの集合研修には、以下のような多くの人的リソースが必要です。
- スケジュールの調整
- 講師人員のリソース確保
- 受講者のリソース確保
- 会議室の確保
- 資料作成やその他の準備
- 移動交通費
- 宿泊費 など
一方動画研修であれば、時間や場所を問わずに研修を行えるうえ、一度映像さえ準備してしまえば後は動画を使い回すことができます。
集合研修を動画研修に置き換え、かつそれを社内に蓄積していけば、長い目で見て大幅なコスト削減とリソースの節約に繋がる可能性があるのです。
メリット3:学習状況の分析が行えることが多い
「動画配信システム」を使用して動画を配信する場合は、受講者の学習状況を管理したり、理解度を分析したりできるようになります。
※LMS(学習管理システム)にも同様の機能がありますが、動画配信システムに比べて詳細な分析ができないことも多いので、注意が必要です。
動画配信システムには、以下のような機能が搭載されています。
- 理解度確認のための小テストやアンケートを実施する機能
- 管理者と受講者が、システム上で双方向のコミュニケーションを行う機能
- 動画の視聴ログや理解度をグラフ化し、分析する機能
動画配信システムCLEVAS(クレヴァス)を使用している様子
オフラインで研修を行う場合、各従業員の理解度や進捗状況などを数値化して把握することはなかなかできません。
しかし動画を活用してオンライン研修に切り替えれば、視聴者の苦手項目や進捗具合を可視化することが可能です。分析結果を用いて教材内容をブラッシュアップさせるなど、効率よくPDCAを回しながら視聴者の理解度を上げていくことができるのです。
メリット4:受講者が時間や場所を問わず研修を受けられる(テレワークにも最適)
動画であれば、受講者はデバイス・時間・場所などを問わずに研修を受けられるようになります。環境によっては自宅のPCやスマートフォンからでもログイン可能なため、テレワークが多い企業でも社員教育の質や頻度を落とす心配がありません。
また集合研修とは異なり開始時間の拘束がないため、社員が各々のスケジュールの中で学習を進められる点も大きなメリットです。
社員研修に動画を利用するデメリット・注意点
コストや学習効率の面でメリットが多い動画研修ですが、デメリットや注意点も存在します。
- 動画の作成に手間とコストがかかる
- 場合によってはセキュリティに問題がある
- リアルタイムの質疑応答やコミュニケーションなどが行えない
順番に見ていきましょう。
デメリット1:動画の作成に手間とコストがかかる
社内研修のための動画を作るには、撮影や編集といった作業の手間やコストが発生します。
詳しくは後述しますが、研修用の動画を作成するには大きく分けて以下の3通りの方法があります。
- 動画研修用のパッケージを購入する
- 自社でオリジナルの映像を制作する
- 映像制作会社に依頼して、研修動画を作ってもらう
いずれにしても費用がかかりますし、自作する場合は最低限の機材や動画撮影のリソースなどが必要です。
ただし中には、動画配信システムに「動画マニュアルを作成する機能」「簡単な動画編集を行える機能」などがついている場合があります。特にオリジナルの動画を作成し、独自マニュアルを配信したい場合は、このようなシステムを選んでみてください。
デメリット2:場合によってはセキュリティに問題がある
研修動画を大勢の従業員に配信する場合、情報漏洩などのリスクがつきまといます。
例えばYouTubeの限定公開機能や、無料のクラウドストレージなどを利用して動画を共有していると、何かの拍子に機密情報に関する動画のURLが、流出してしまうかもしれません。
たとえ悪意が無かったとしても、「取引先の企業が閲覧できる資料に、機密情報に関する動画のURLがまぎれてしまう」ということも起こり得ます。
特に製造業などでよくある「独自ノウハウ」を動画研修にしたい場合は、セキュリティ要件を十分に満たした動画配信システムを選ばなくてはいけません。
デメリット3:リアルタイムの質疑応答やコミュニケーションなどが行えない
動画を配信しただけでは、リアルタイムで受講者と講師がコミュニケーションを取れないというデメリットがあります。
対処法としては以下のような方法があります。
- 研修内容に関する質問ができるチャットグループを作成する
- 動画のコメント欄で双方向のコミュニケーションが行える動画配信システムを利用する
「ただ動画を配信しただけ」では、期待した効果が得られないことがあります。できる限り双方向のコミュニケーションが活発に行える環境を作って、受講者の理解を促進させる必要があります。
動画研修を行うのがおすすめな企業
以下の考えを持っている企業は、動画研修を導入するのがおすすめだと言えます。
- 集合研修をオンラインに置き換えて、コストカットやリソースの節約を行いたい
- テレワークに対応したオンライン研修が行える体制を作りたい
- 学習状況を効率的に分析し、社員教育により力を入れていきたい
- テキストベースのオンライン研修を実施しているが、研修効果や満足度が低い
また金融・建設・インフラ(鉄道、ガス、電気、水道)・製造・情報通信業界などは、特に動画研修を導入することが多いので、参考にしてみてください。
動画研修のやり方!動画の作成・配信方法を確認しよう
社内で動画研修を行うには、研修用の動画を準備して社員が視聴できる環境を整える必要があります。
動画の作成や配信の方法は、大きく分けると以下の3種類です。
方法 | 必要なもの | 適した動画 |
---|---|---|
(1)動画研修用のパッケージを購入する | 研修パッケージ(購入またはサブスクリプションで利用) | 一般的なビジネススキルやマナー |
(2)自社でオリジナルの動画を制作する | ・動画配信システム ・最低限の動画撮影/編集機器 | ・自社オリジナルの研修 ・機密情報の共有や技術継承 |
(3)映像制作会社に依頼して、研修動画を作ってもらう | ・動画配信システム ・映像製作会社への依頼 | 自社オリジナルかつ、ドラマ仕立ての研修動画 |
「この方法が最も優れている」というものではなく、どのような研修を行いたいかによって最適な方法が異なります。またいくつかの方法を組み合わせて研修を行う企業もあります。
以上を踏まえて、順番に見ていきましょう。
方法1:動画研修用のパッケージを購入する
動画研修用のeラーニングパッケージ商品を購入する方法です。学習できる内容の例は「リーダー職研修」「ビジネスマナー研修」などの、一般的かつ普遍的なビジネススキル・ルールの学習に活用できます。
動画の作成や配信環境を整える必要がないため、少ない労力で動画研修をスタートできる方法です。ただし自社オリジナルの研修は行えない点に注意が必要です。
研修動画パッケージの料金は、1IDにつき月額1,000円~2,000円程度です。別途初期費用が10万円程度かかる場合もあります。
方法2:自社でオリジナルの動画を制作する
自社のサービスに特化した研修や、独自ノウハウの研修を動画で実施するには、自社でオリジナルの研修映像を作成します。
この場合は、「どのように動画を作成するか」「どのように動画を配信するか」の2点を考えなければいけません。
まず動画を自社で作成する方法を見ていきましょう。「自作」と考えると少し難しそうに感じますが、以下のような方法であれば、比較的簡単に動画を作れます。
- オフラインの場で行われた研修の様子を撮影する
- PC画面に研修資料などを映した状態で画面上で解説を行い、その映像と音声を録画する
- ZOOMなどのWeb会議ツールで行ったミーティング・ウェビナー形式の集合研修を録画する
つまり実際に行った研修を録画し、それを動画にして二次利用するのです。
では次に「どのように動画を自社で配信するか」を考えてみましょう。これには前述の通り、以下のような方法があります。
適した配信方法 | |
---|---|
小規模な研修の場合 (かつセキュリティをそこまで重視しない場合) | ・Web会議ツールの共有機能 ・Googleドライブなどのクラウドストレージ ・YouTubeなどの無料プラットフォーム |
大規模な研修の場合 | 動画配信システム |
本格的な動画研修を行いたいのであれば、「動画配信システム」の導入が必要です。動画配信システムの費用相場は月額10万~20万円ほどを考えておきましょう。
なお弊社が提供する動画配信システム「CLEVAS(クレヴァス)」では、PC画面を丸ごと録画しマニュアルを作成したり、Web会議システムと連携して自動で録画を取り込み、教材化したりすることができます。
編集機能も備わっているので、動画の作成から配信までをこのシステム一つで行えるという特徴があります。
CLEVASで動画編集をしている様子
動画配信システムの利用を考えている方は、ぜひ一度CLEVASを検討してみてください。
なお、その他の動画配信システムについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
>>動画配信システムのおすすめ比較!選び方や法人向け17サービスの違い
方法3:映像制作会社に依頼して、研修動画を作ってもらう
自社オリジナルかつ、クオリティの高い洗練された研修動画を作成したい場合は、映像制作会社に依頼するのが一般的です。特に以下のような「ストーリー性のある動画」や「ドラマ仕立ての動画」を作成するなら、制作会社への依頼が必須になるでしょう。
このような動画を制作会社に依頼する費用相場は、50万円~200万円程度です。セミナーや研修内容を撮影するだけの動画であれば比較的安価に依頼できますが、凝った演出が必要な動画や、役者を起用したドラマ仕立ての研修動画は費用が高くなります。もちろん動画の内容や長さによっても費用は変わるので、あくまで目安として考えておきましょう。
また映像制作会社に動画を作ってもらった場合も、社内でどのように配信するのかを考える必要があります。クローズドな場でセキュリティ要件を満たした配信を行いたいのであれば、「動画配信システム」が必要です。動画配信システムの費用相場は自作する場合と同様で、月額10万~20万円ほどになります。
自社の研修用動画コンテンツ全てを映像制作会社に依頼するのは、非常にコストがかかります。そのため少数の高品質な研修動画を作りたい場合に活用するのがおすすめです。
動画研修の導入から配信までの手順
社内で動画研修を運営するためのおおまかな手順を解説します。一般的には次の順序で導入を進めるので、参考にしてみてください。
- 現状の課題と動画研修の目的を明確にする
- 動画の作成・配信方法を決める(パッケージ購入なのか、自社で作成なのか、依頼なのか、またどのようなシステムを使うのかなど)
- 必要な機材やシステム導入の準備をする
- 動画研修を導入することを社内で承認してもらう
- 動画の作成やシステム導入などを行う
- 動画研修を開始することを社内に周知させる
- 動画研修のルールや受講方法などを周知させる
- 動画を配信し、研修を行う
- 結果を見て改善を行う
まずはここまでの内容を踏まえて、どのような研修動画を作り、どのような方法で配信するかを考える必要があります。動画配信システムを利用する場合は「社員研修目的」に特化した商品を選ぶことが望ましいでしょう。
その後、社内で動画研修を実施する準備を整え、実施まで進めていきます。
まとめ
視覚的に学べる動画研修は、学習効率とコスト削減効果が高い研修スタイルです。テレワークとの親和性も高く、現代の働き方にマッチした社員教育の形だと言えます。
動画研修を行うには、以下の方法があるので、各社で最も適したものはどれかを考えてみてください。
方法 | 必要なもの | 適した動画 |
---|---|---|
(1)動画研修用のパッケージを購入する | 研修パッケージ(購入またはサブスクリプションで利用) | 一般的なビジネススキルやマナー |
(2)自社でオリジナルの動画を制作する | ・動画配信システム ・最低限の動画撮影/編集機器 | ・自社オリジナルの研修 ・機密情報の共有や技術継承 |
(3)映像制作会社に依頼して、研修動画を作ってもらう | ・動画配信システム ・映像製作会社への依頼 | 自社オリジナルかつ、ドラマ仕立ての研修動画 |
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