リモートプロダクションを実現するには?
- 映像伝送
- #ライブ配信
近年、様々な職種や業界において「働き方」に対する姿勢の見直しが進められています。加えて、コロナウイルスの世界的大流行によって私たちを取り巻く環境は大きく変化しました。
ここ数年は、生活様式からビジネスへの取り組み方に至るまで、生活に関わるあらゆる部分で変化を余儀なくされてきました。
当然のことながら、この大きな変化の波は映像業界にも影響を与えています。
働き方の見直しはもちろん、移動が制限されたり3密の回避が求められるなかで、現場に行かない、もしくは行く人を減らした映像制作を目指す “IPを利用したリモートプロダクション” の重要性は高まってきています。
この記事では、映像伝送に焦点をあてたリモートプロダクションの実現方法について解説します。
リモートプロダクションの課題
映像ソースを遠隔地へ伝送するにはどうしたら良いのか?現場とのスムーズなコミュニケーションをどのようにおこなうか?など、制作ワークフローをリモートプロダクションにシフトするために検討しなければならない課題は数多くあります。
リモートプロダクションにおける映像伝送や現場とのコミュニケーションなどの課題を解決する方法のひとつとして、インターネット回線を利用する方法に注目が集まっています。従来おこなっていた高額な専用回線によるIP映像伝送や各種コミュニケーション・サービスに比べると、インターネット回線を利用した方が圧倒的に低コストであること、また、簡単に用意できるという2つのメリットがあるためです。
しかし、インターネットを利用したリモートプロダクションに不安を感じている方も多いのではないでしょうか。なぜインターネット回線を利用したリモートプロダクションに注目が集まっているのか、次の章で見ていきましょう。
リモートプロダクション実現のカギ
現在の中継制作や番組制作では、現場にカメラやスイッチャーなど多くの機材を持ち込み、それらを現場で操作しながら、制作したアウトプットを専用回線を利用して放送局まで送る…というのが基本的な流れとなっています。映像ソースもSDIベースでの取り扱いが現時点では主流と言えるでしょう。
リモートプロダクション環境を整備することで、これまで現場へ人と機材を置かないと実現できなかった作業を遠隔でおこなえるようになり、現場へ行くスタッフや機材の数を少なくすることができます。また、従来の業務を会社や自宅から遠隔で参加することで、移動にかかる時間やコストを削減し、機材を購入するコストを減らすことも可能です。
また、全ての制作ワークフローをリモートプロダクションへシフトするのではなく、まずはスイッチャーから…など、段階的にリモートプロダクション化を進める場合でも、中継車内の人数を減らせるなどのメリットがあります。
このようなリモートプロダクションの実現に最も重要なカギとなるのが、“インターネット回線” です。
機材の制御信号だけでなく、映像信号を安定して伝送できることが、リモートプロダクションにおいては必要不可欠です。もちろん、専用回線を利用することで安定的なIP映像伝送を実現することは可能ですが、安定性と引き換えにかかるコストは決して安価なものではありません。
近年、パブリックなインターネット環境の整備が進むにつれ、一般的なインターネット回線でも高品質な映像を伝送することが可能になりつつあります。パブリックインターネットでの映像伝送を前提として設計された「SRT (Secure Relieable Transport)」というIPプロトコルの登場や、ネットワーク基盤の強化が進んでいることも大きな要因の一つです。
「SRT」のようなIPプロトコルを活用することで、パブリックなインターネットであっても安定した映像伝送が実現できるようになりつつあるのです。
SDIをベースとした従来の映像伝送だけでなく、「SRT」のような新しいIPプロトコルを活用した映像伝送が、ライブ配信などにも採用され始めています。
パブリックインターネットを活用したリモートプロダクション
リモートプロダクションの実現に、パブリックインターネットを活用することができれば、プロダクションコストを抑えながら、従来とは異なる新しいスタイルのプロダクションを確立することができます。
近年では、制作ワークフローにおける様々な部分に対して、クラウド上で制作環境を提供するサービスが展開されています。編集ソフトやスイッチャーなど、これまでオンプレミスの機材を利用して制作されてきたワークフローを、クラウドベースの制作環境へ置き換えることが可能となってきているのです。こういった新しい制作スタイルを提案するサービスでは、前述の「SRT」などをはじめとするパブリックインターネットでの映像伝送に強いIPプロトコルに対応した製品も多くリリースされています。
IPプロトコル「SRT」を活用するメリット
- 映像伝送中にネットワークのジッタや瞬断などによりパケットロスが発生した場合にも、「SRT」の仕組みである ARQ によりパケロスが補完される
- ARQ(Automatic Repeat reQust)とは
送信側と受信側で適度なバッファを確保することで、ロスしたパケットを再送信してリカバリーする機能
- ARQ(Automatic Repeat reQust)とは
- AESのテクノロジーを使って映像信号を暗号化できるため、パブリックインターネットを利用してもセキュアな伝送環境を実現できる
「SRT」はオープンソースであるため、多くのメーカーが「SRT」に対応するデバイスやアプリ、低コストで利用できるサービスを発表・提供しています。こういった最新のテクノロジーを制作ワークフローに取り入れることで、莫大なコストをかけることなく、パブリックインターネットでも安定性の高いリモートプロダクションを実現できます。
■関連記事:映像伝送プロトコル「SRT」とは?その特長と活用方法を解説
しかし、いざインターネット回線を利用したリモートプロダクションを実施してみよう!と思っても、接続のためのネットワーク設定や「SRT」の取り扱いや、従来の方法と比べて手間が多くなったり難易度が高いのでは?と不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このような不安を解決する方法の一つが、拠点間映像伝送サービス「Photron Live Cloud Service(LCS)」です。
パブリックインターネットで簡単伝送!「Photron Live Cloud Service(LCS)」とは?
拠点間映像伝送ゲートウェイサービス「Photron Live Cloud Service(LCS)」は、パブリックなインターネット回線と「SRT」対応デバイスが用意できれば、誰でも簡単に利用できます。
拠点間映像伝送サービス「Photron Live Cloud Service(LCS)」の特長
- SRTを利用するための設定やサーバ機能を自動振り出し
SRTを利用するために必要な設定やサーバ機能をシステムが自動で振り出します。これらの情報を利用するだけで、簡単に映像伝送が可能です。 - SRT対応機器はインターネットに接続するだけ
SRT対応機器はインターネットに接続するだけ。光ファイバーやVPNを使用する場合に必要だったルータ等の煩雑な設定は不要です。 - 手軽な価格で利用できる
最短1週間で 15,000円(税抜) という圧倒的コストパフォーマンス。必要な時に必要な期間だけ利用できます。 - 定額制で利用計画が立てやすい
利用した帯域や時間によって課金されることもないので、利用計画を立てやすいことも特長の一つです。予想以上に使いすぎてしまって思っていたよりも費用がかかってしまった、などということは決して起こりません。
利用するネットワークに依存せず、「SRT」という素晴らしい技術を誰でも簡単に、低コストで利用できる映像伝送サービスが「Photron Live Cloud Service(LCS)」です。
フリートライアルも可能なので、リモートプロダクションを実現するための手軽かつ、大きな一歩として、興味のある方はぜひこの機会に活用してみてはいかがでしょうか。
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